電子クラブ OB短信

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H10年 (1998年)卒のOB短信

                                                                     H10年卒 吉田誠

 私は、本学電子工学科を1998年に卒業後、今年で16年になります。
 月日の経つのは早いもので、「もうそんなになるのか」と改めて感
じています。
 卒業してからは高周波回路、アナログ回路の研究・開発・設計を業
としてまさに電子工学が本領発揮できる現場で仕事をしてきました。
 大学時代に学んだ事が確かに必要になっているのですが、いかんせ
んしっかり学んできたつもりが、社会に出てから再び学び直しの感が
あります。
 実際の現場での電子回路の振る舞いの解析は、物理現象の振る舞い
を観察する「物理実験」のようで、モノの振る舞いから自身で仮説を
立てて、動かしてみて、どういう挙動を返してくるか、この結果に正
直に向き合いながら進めています。特に性能を追い込むときには、こ
の時の観察力と考察力が重要になってきます。
 また、アンテナやフィルタなどの高周波回路は目に見えるわけでは
ないので、基礎理論として大学時代に学んだ、マクスウェルの方程式
のお世話になっています。というと聞こえはいいですが、実はシミュ
レーターのお世話になっているだけとも言えますが・・・。
 しかし、シミュレーターは、なにがしかの結果は出してくれますが、
最適な結果を自動で出してはくれません。シミュレーターから、自身
が希望する結果が出るように条件を設定してやる必要があります。こ
のような時、マクスウェル方程式から基本的な振る舞いの方向性を理
解しておくと、これほど心強い事はありません。
 新しいものを開発し作り上げる時、自身が「こうしたい」、「ああ
したい」という構想を実現するためには、このようにして物の振る舞
いをしっかり理解するところがベースとなり、そこに、自身の思いが
重なって作り上げることが出来るのではと、私は考えています。
 さて、話は変わりますが、先日、技術士資格の試験を受けやっとの
ことで合格をいただきました。
 技術士という資格は電子工学関係の方には、なじみが少ないかもし
れませんが、技術士は科学技術に関する技術的専門知識と高度な応用
能力を国によって認められた技術者の称号で、科学技術の応用に携わ
る技術者にとって最も権威のあるといわれている国家資格です。
 国際的にもAPECエンジニア登録制度があり、有能な技術者が国境を
越えて技術者資格が相互承認され自由に活動できるようになってきて
います。
 我が電子情報通信工学科でも、技術士に関連してJABEE認定課程が始
まろうとしており、これは、大学のカリキュラムの修了が第一次試験
の合格と同等であるものとして認められるものですが、その準備が着
々と進んでいるようで将来が楽しみです。
 技術士に求められるものは課題解決能力です。その意味で、この試
験に挑戦することは資格を取ることだけではなく、下記のような一連
の流れを身に着けるためにとても役立ったと感じています。

 ①現状の整理
  ・・・現状の把握と分類・整理をする。この作業を実行する事で
     自身の身につく
 ②課題の抽出
  ・・・本当は「こうあるべき」なのに、できていない事を抽出する
 ③急所を見つけ出す
  ・・・本来実現したかった事を進めようとする時に、妨げになっ
     ている急所を見つけ出す
 ④解決の方向性を決定する
  ・・・急所を解消するため(方式を変える、発生源をなくす、動作
     範囲を絞る)等の方向性を示す
 ⑤多角的な視点で検証したうえでの提案
  ・・・矛盾や見落としがないかいろいろな目線で検証したうえで、
     論理的に提案する

 さて先日、この技術士の試験を合格したメンバーが集まるレセプシ
ョンがありましたが、ここでも大阪工業大学の関係者の方にお会いし
ました。様々な第一線の場所で、大阪工大の関係者にお会いするのは
うれしい限りです。
 ここで注目したいのは、この技術士においても分野を超えた「横の
つながり」を重視していることです。
 我が電子クラブも様々な分野で活躍されている先輩方がおられます
が、同じ母校という強い「つながり」を皆さんすでに持っておられま
す。
 このつながりを大切にし、お互いが第一線の場で活躍し、自身を磨
きつつ、共に刺激しあうことで、少し大げさかも知れませんが互いの
技術力の拡大がより勢いを増し、ひいては日本の技術の発展につなが
ると確信しています。
 ぜひ、皆さんもこの電子クラブを共に活用し、互いの触発の場とし
て活用されていかれることをお願いします。

 (原稿受領:2014年5月1日)